I LOVE MIES < はじまり >


小さい時には、犬、猫、うさぎ、
更にはセキセインコ、ハムスターと、
次々飼ってはいたけれど、なにせ幼稚園の頃のこと、
その子たちのことは憶えてはいるけれど、
世話をした記憶がない。
それからずっと犬が欲しくて欲しくてたまらなかったけど、
ワタシのこと、どうせ飼ってもまた親に面倒見させるに決まってる。
自分以外のものを一生懸命面倒見ることが出来るまで”我慢”と、
揺れる気持ちを押さえつけ、親元から独立したら
飼おうと決心していた。
その機会はなかなか訪れず、長いこと保留状態だった。
結婚を機に、待ってましたとばかりにオットにお願いしてみた
が、そんなに甘くはなかった。やっぱり ・・・
オットの実家で飼っていたワンコが亡くなって、その時の思い
がまだ癒えていない事情が重なり、
「うん。」と言う返事は返って来なかった。
しばらくは我慢しよう。
しかし・・・
あの日からワタシの犬探しは始まった。「OK」が出るいつかの日の為に。
もうかなり前に一度だけ見た「あの犬」はなんて言うのだろう。
本屋に通い、「犬のカタログ」なる分厚い本を見つめ、
ワタシと出会う運命の犬を片っ端から探した。
運命の犬を見つけ出すのに、さほど時間はかからなかった。
〔イタリアングレーハウンド〕と書かれたその犬に「ピーン」と
来て、もう頭から離れなくなってしまった。
「そう言えばこの犬だったような・・・」
衰えかけた記憶をたどりながらじっと見ていた。
早速その本を買った。
見るたびに、「やっぱり、絶対にこの犬がいい!」
と決意は固くなる。
もうかなりの月日が経った頃、本を「ちょっと見てみない?」
なんて誘惑してみた。
出すと「いいよ、飼っても。」と・・・。
こちらが聞く前に、待ち望んでいた答えが返ってきた。(やったぁ〜〜)
飛び上がるほど嬉しかった。
「ホント〜〜!!」、声が裏返った。
「どの犬にするか〜」と言うオットに、「もう決めてるの」とは
さすがに言えなかった。どうやって
〔イタリアングレーハウンド〕までページを見させていくか?
なんだか、「パラパラ」めくっている。
見過ごされはしないか。
「これなんてどぉ?」 「これは?」なんて心にもないワンコを
だしにして数匹候補が挙がり、その中にイタグレも堂々候補入りした。
他も数種、候補に挙がったものの、ワタシは顔では「うん、そうだね ・・・」
なんてうなずきながら、心では「ぜったい、イタグレー」と叫んでいた。
他の犬もかわいいけど、自分が飼いたいのは譲れない。
もうワタシはあの魅力に取り付かれ、触ったことも間近で
見たこともないイタグレが欲しくて欲しくてたまらなかったのである。
しかし特に手こずることもなく、意外とすんなり、気に入り度が
増し、最終選考を勝ち残った。
オットは今度飼うのは「毛」の短い犬・・・と言う希望はあったようだ。
(ほっ・・・)
〔イタグレ〕探しが本格的に始まる手始めに、まずはオットをドッグショーに誘ってみた。
これでオットはまんまと「ぜったいにこの犬飼おう!」となった訳である。 ふふ・・・
そして今では「この犬で良かったぁ。」とイタグレがいたくお気に召したようで
感謝すらされてしまっているのである。